これは事件だ。薬害事故より事件ではないか流行の可能性があるとされる新型インフルエンザの爆発的流行の対策に、政府は2500万人分(2億5000万錠)備蓄を、今なお進めている。費用は200億円以上にはなるらしい。
ところでその効果だが。
リン酸オセルタミビル(Oseltamivir Phosphate)製剤の商品名。世界初の経口抗インフルエンザウィルス剤。A型とB型に効果があるが、B型に対してはA型に対するほどの解熱効果はない。また、C型には効果がない。
ノイラミニダーゼ(Neuraminidase:細胞表面などから遊離し他の細胞に移動できるようにする機能を持つ)を阻害することによりインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。増殖を抑制するだけなので、増殖が少ない症状の現われた初期(48時間以内とされている)に投与しないと意味がない
と言うこと。
日本では大量備蓄とは裏返せば、膨大な流通在庫が前提の大量消費でもある。非常事態に備えて備蓄し、有効期限が過ぎたものを順次廃棄するなら良いのだが、いまの日本のあらゆる年齢層への大量投与は、そうではなく、一定の流通量を何時も確保してそれを果たす、そうしたおかしな状態だ。
中外製薬からの医師への研究費、死者だけを問題にしたからと、訳の分からぬ弁明をする、厚労省のタミフル被害調査。ましてこの薬を開発した、ギリアド・サイエンシズ社については、もう忘れられかけているが2005年10月31日のこうした報道がある。
=引用始め=
「ラムズフェルド、鳥インフルエンザで大儲け」
ブッシュ家とその仲間は、脅威に対応するよりも、脅威で儲けるほうが得意であることはよく知られているが、特にラムズフェルドのビジネスセンスはずば抜けている。
米CNNの2005年10月31日の報道を以下に引用しておこう:
鳥インフルエンザ大流行の予測は世界の人々をパニックに陥れているが、ギリアド・サイエンシズ社の株を所有するラムズフェルド国防長官やその他政界関係者にとっては朗報だ。カリフォルニア州に本拠を構えるバイオテック企業ギリアド社は、インフルエンザ治療薬として現在世界中から注目されている『タミフル』の特許を所有している。
1997年からブッシュ政権入閣までの2001年の間、ラムズフェルド国防長官はギリアド社の会長を務めており、現在でも同社の株を保有しているが、その評価額は500万ドルから2,500万ドルの間であることが、ラムズフェルド氏自身による連邦資産公開申告書で明らかになった。
申告書ではラムズフェルド氏が所有する株数の詳細は明らかになっていないが、過去6ヶ月間における鳥インフルエンザ大流行の懸念とタミフル争奪戦の予測により、ギリアド社の株価は35ドルから47ドルに急騰。これにより、すでにブッシュ政権内で最高額の資産を持つ国防長官は、少なくとも100万ドル以上資産を増やしたことになる。
スイスの医薬品大手ロシェ社が製造販売しているタミフル(ギリアド社は販売額の10%のロイヤリティーを受け取っている)で利益を得た政界有力者はラムズフェルドだけではない。ジョージ・シュルツ元国務長官はギリアド社役員として、2005年度に入ってから同社の株700万ドル分を売却している。
他にも、前カリフォルニア州知事の妻ピート・ウィルソンがギリアド社の役員に就任している。
「政界とこれほど繋がりの深いバイオ企業は他に類を見ない」サンフランシスコのシンク・イクイティ・パートナーズ社アナリストのアンドリュー・マクドナルド氏は評している。
さらに重要なことは、合衆国政府が世界最大のタミフル購入者であるという事実だ。今年7月には、米国防総省は兵士への配給用に、5,800万ドル分のタミフルを注文しており、議会も数十億ドル分の購入を検討中である。2005年度におけるロシェ社のタミフル売り上げ予測額はおよそ10億ドルで、前年度は2億5,800万ドルであった。(以下略)
=引用終わり=